
「フェード」には、2種類ある
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夏の長い下り。ブレーキの効きが、だんだん薄くなる ── あの現象を「フェード」と呼びます。ひとくくりにされがちですが、中身は別物が2つありました。
ひとつ目は、パッドの過熱。
長い下りで、ローターやパッドの表面は300℃近くまで上がります。
レジン(樹脂)系のパッドは200〜300℃で表面が軟化し、分解したガスが薄い膜になって、摩擦そのものが落ちる ── これが「効きが薄くなる」正体です。
ふたつ目は、ブレーキオイルの沸騰。
さらに熱がこもると、ブレーキオイルが沸騰して気泡が生まれます。
液体は縮みませんが、気体は縮む。だから握っても力が気泡を潰すのに食われ、レバーがスカスカになる ── これがベイパーロックです。
順番が、あります。
自転車では、まずパッドの過熱が先に来ます。
「レバーがスカスカ」まで行くのは、重い荷物・体重・延々と引きずる操作・劣化したオイルが重なった、相当な悪条件のときです。
つまり、下りで「効きが薄いな」と感じた時点が、いちばん最初のサイン。そこで一度ブレーキを休ませてやれるかどうかが、分かれ目になります。